(更新日:2025年10月18日)
家庭菜園の最大の悩みは「虫」ではないでしょうか。
土を使う家庭菜園(土耕栽培)は自然に近い分、虫がつきやすく「農薬をあまり使いたくない」という方には頭の痛い問題です。
特に、アブラムシ・コナジラミ・アザミウマなどは、気づかぬうちに野菜を弱らせてしまいます。
農林水産省や環境省では、住宅地や家庭菜園では農薬より防虫ネットなどの物理的防除を推奨しています。
(参考:農林水産省「このような所で、周囲を気にせず農薬を散布していませんか?」)
この記事では、農薬を使わずに虫を防ぐ方法について、家庭菜園の初心者でもすぐ実践できる手順で解説します。
また、防虫ネットの設置方法や害虫ごとの特徴を比較表で紹介しています。初めてでも安心して取り組める虫対策をまとめました。

害虫対策は“農薬に頼らない工夫”が増えてきています。特に防虫ネットやコンパニオンプランツは、無農薬・有機栽培を目指す方にとって欠かせない方法です。(詳しくは後述)
家庭菜園で虫が発生する原因とは?
土を使った家庭菜園(=土耕栽培)は自然の環境に近い分、害虫が発生しやすい傾向があります。
特に初心者の方が気づかない要因が多いため、被害が拡大してしまうケースも少なくありません。
ここでは、虫が増えやすい代表的な理由を解説します。
【理由1】土中に潜む虫や卵が温床になる
土耕栽培では、目に見えない土の中に害虫が潜んでいることが多くあります。
冬の寒い時期でも卵や幼虫が土中で越冬し、春先の気温上昇とともに一斉に活動を始めます。こうした虫は地上に出てから短期間で作物に深刻な被害を与えるため、事前の対策が重要です。
代表的な土中害虫と被害例
| 害虫の種類 | 土中での様子 | 被害内容 |
|---|---|---|
| コガネムシ幼虫 | 根をかじりながら越冬 | 根が切れて苗が枯れる |
| ヨトウムシ | 昼は土に潜み夜に活動 | 若葉をまとめて食害 |
| ネキリムシ | 苗の根元をかじる | 発芽直後の苗が倒れる |
対策ポイント
- 栽培前に古い土を天日干しや熱湯消毒で殺菌
- 不織布や防虫ネットを併用し、幼虫の侵入を防ぐ
- 苗の周囲にペットボトルの切れ端を立ててネキリムシを防止
【理由2】湿度と通気性の悪さ
プランターを密集させたり、畝を詰めて植えると風通しが悪くなり、害虫の温床となります。
湿度が高まるとアブラムシやコナジラミが繁殖しやすくなり、葉の表面にカビが発生するケースも少なくありません。
湿度と通気性で影響すること
- 湿度が高い環境 → コナジラミやカビが増える
- 通気性が悪い環境 → アブラムシやハダニが定着
対策ポイント
- 株間を広めにとる(20〜30cmを目安)
- プランターは間隔をあけて設置する
- 梅雨や雨続きの時期は水やりを減らし、根腐れを防ぐ
【理由3】肥料の与えすぎ
家庭菜園では、収穫を増やそうと肥料を多く与えてしまうことがあります。
しかし、窒素肥料を過剰に与えると、やわらかい新芽が大量に出て害虫の餌食になります。アブラムシやハダニは特に窒素過多の新芽を好むため要注意です。
代表的な肥料による被害例
| 肥料過多の症状 | 害虫リスク |
|---|---|
| 葉が薄くやわらかくなる | アブラムシが寄りやすい |
| 徒長(茎がひょろ長く伸びる) | ハダニやアザミウマに弱い |
| 根の成長が遅れる | 病気にかかりやすくなる |
対策ポイント
- 肥料は「少なめ」を心がけ、追肥で調整
- 肥料の種類は緩効性タイプを選ぶと効果が安定
- 葉の色や成長状態を観察し、必要以上に与えない
【理由4】雑草や周辺環境からの侵入
庭や畑だけでなく、周辺の雑草や隣の花壇が害虫の発生源になることがあります。
特に、アブラムシやコナジラミは、雑草に寄生してから家庭菜園の作物へ移動するケースが多く、ベランダ菜園でも隣家の鉢植えから侵入することがあります。
よくある侵入ルート
- 雑草 → アブラムシの温床
- 花壇の観賞植物 → アザミウマが繁殖
- ベランダの隣のプランター → コナジラミが飛来
対策ポイント
- 定期的に雑草を抜いて環境を清潔に保つ
- 周囲の鉢植えや花壇も一緒にチェック
- ベランダではプランターごとに防虫ネットを設置
【理由5】高温多湿の夏場
日本の夏は害虫が最も増える季節です。
梅雨明け直後から気温と湿度が上がり、アブラムシやコナジラミが一気に繁殖します。
日中は見えにくくても、夕方になると一斉に飛び交うこともあり、初心者は被害に気づくのが遅れがちです。
夏場の虫発生リスク
- 梅雨明け直後 → コナジラミ急増
- 真夏の高温期 → ハダニやアザミウマが繁殖
- 夕方 → 虫が活発化して葉裏に潜む
対策ポイント
- 白色の防虫ネットで日差しと虫を同時にカット
- 株元にワラやマルチを敷いて地温上昇を防止
- 水やりは朝方に行い、蒸れを回避
家庭菜園で発生しやすい害虫とは?
家庭菜園で特に注意すべき害虫は以下の3種類です。
| 害虫名 | 主な被害 | 発生時期 | 好む環境 | 主な対策 |
|---|---|---|---|---|
| アブラムシ | 葉の縮れ・ベタつき・すす病を誘発 | 春〜秋(特に暖かい季節) | 若い芽・葉裏・風通しが悪い場所 | 防虫ネット(0.8mm以下)・牛乳スプレー・天敵(テントウムシ) |
| アザミウマ | 花や葉に銀スジ・花粉が落ちる・開花不良 | 初夏〜秋(乾燥期に多発) | 乾燥した花壇・ナス科やキク科植物 | 防虫ネット(0.6mm以下)・マリーゴールド植え合わせ・粘着シート |
| コナジラミ | 葉の黄化・すす病発生・飛び回る白い粉状の虫 | 梅雨明け〜秋(高温多湿) | 温室・ベランダ・ナス科野菜周辺 | 防虫ネット(0.8mm以下)・黄色粘着シート・ニームオイル |

各害虫は一度発生すると繁殖力が強く、卵や幼虫が残ると再発しやすいため、定期的な葉裏チェックと早期対策が大切です。
アブラムシ|吸汁で弱らせる小さな害虫
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | 体長2〜4mm、緑・黒・黄色など様々な色 |
| 被害 | 葉が縮れる、ベタつき(甘露)、すす病の原因 |
| 発生時期 | 春〜秋(特に暖かい季節) |
| 好む環境 | 若い芽や葉裏、風通しの悪い場所 |
| 主な対策 | 防虫ネット(網目0.8mm以下)、牛乳スプレー、天敵 |
- 肥料を多く与えすぎて柔らかい新芽が出ている
- プランターが密集し、風通しが悪い
- 周囲に雑草や未管理の植物が多い
- 春先から急に暖かくなった時期
- 雨が少なく乾燥気味なベランダや庭
アザミウマ|花や葉を食害する厄介者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | 体長約1mm、細長く動きが素早い |
| 被害 | 葉に銀色のスジ、花粉が落ちる、開花不良 |
| 発生時期 | 初夏〜秋(乾燥期に多発) |
| 好む環境 | 花や若葉、乾燥した気候 |
| 主な対策 | 防虫ネット(網目0.6mm以下)、マリーゴールドの植え合わせ、粘着シート |
- 花が多い植物(ナス科・キク科など)を育てている
- 日当たりが強く、乾燥したベランダや庭
- 水やりが不足し、葉が乾燥気味
- 花壇に色とりどりの花を密集させている
- 雑草が放置されており繁殖場所になっている
コナジラミ|白い粉のように飛び回る
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | 白い蛾のような小昆虫。葉裏に卵を産む |
| 被害 | 葉の黄化、すす病を誘発 |
| 発生時期 | 梅雨明け〜秋(高温多湿で増殖) |
| 好む環境 | ビニールハウスや温暖なベランダ |
| 主な対策 | 防虫ネット(網目0.8mm以下)、黄色粘着シート、ニームオイル |
- ミニトマトやナスなどナス科野菜を育てている
- ビニールハウスや温室など、湿度が高く気温が安定した場所
- 夏場の直射日光で温度が上がりやすいベランダ
- ネットやカーテンをしていない開放的な栽培環境
- 一度発生すると葉裏に卵が残りやすく、再発しやすい
虫を寄せつけない環境づくり|家庭菜園の基本予防法
虫が発生してから対策するよりも、「虫が寄りつかない環境をつくる」ことが何より大切です。多くの害虫は、湿度・通気・雑草・古い土といった“快適な環境”を好んで集まってきます。
ここでは、初心者でもすぐ実践できる3つの予防ステップを紹介します。
【予防1】水やり・通気・湿度の管理で虫を防ぐ
虫が好むのは、「じめじめした空気」と「風の通らない場所」。特にアブラムシやハダニ、コナジラミは、湿度や風通しの悪さをきっかけに繁殖します。
- 水やりは朝に行うのが基本
朝のうちに土を湿らせ、日中にしっかり乾かすことで、夜間の湿気を防げます。夕方の水やりは根腐れやカビの原因になります。 - 株間(植物同士の距離)を広めに取る
プランター栽培でも10〜15cm、畑では20〜30cmを目安にすると風が通りやすくなります。 - 風通しを意識した配置にする
プランターを壁際に寄せすぎない・支柱やネットで空間を確保するだけでも効果的。
湿度をコントロールできると、虫だけでなく病気(うどんこ病・灰色カビ病)も予防できます。風通しのよい菜園は、植物の光合成もスムーズに進み、健康な葉が育ちます。
【予防2】雑草・プランター周辺の整理整頓
虫の住みかとなる「雑草」や「落ち葉」を放置しておくと、そこが繁殖源になります。
アブラムシ・アザミウマ・ヨトウムシなどは、雑草で成長してから野菜へと移動します。
- 雑草はこまめに抜き、根から処理する
抜いた雑草はそのまま放置せず、袋に入れて処分。放置すると卵が孵化して再発生します。 - プランターの下や周辺のゴミ・枯葉を掃除
湿気や影になる部分は、ナメクジやダンゴムシの温床になります。定期的にプランターを動かして通気を確保しましょう。 - 支柱やネットの隙間もチェック
コナジラミやハモグリバエは支柱やネットの結束部に卵を産みつけることがあります。

週1回の「掃除日」を決めて、雑草抜きと落ち葉処理をセットで行うと習慣化しやすいです。
整理された菜園は、虫が隠れる場所が減るだけでなく、作物の生育も安定します。
特にベランダ菜園では、プランターの下に水受け皿を置きっぱなしにしないことも大切です。湿気がこもり、コバエの発生源になります。
【予防3】土の再利用前に熱湯消毒でリセット
前のシーズンで使った土をそのまま使うと、虫の卵や幼虫が残っている可能性があります。
コガネムシの幼虫やネキリムシなどの土中害虫は、目に見えにくいため厄介です。
- 古い土をブルーシートなどに広げる
天気のよい日に薄く広げ、直射日光で2〜3日しっかり乾燥させます。紫外線と高温で多くの虫が死滅します。 - 熱湯をかけて加熱消毒する方法も有効
80〜90℃のお湯を土にかけて混ぜ、バケツなどで1日密閉。卵・幼虫・カビ菌などを同時に除去できます。 - 再利用前に「新しい培養土」や「腐葉土」を混ぜる
土の栄養バランスを整えることで、健康な根が育ち、害虫にも強くなります。
再利用が難しいほど古い土(3年以上使用)は、自治体の回収や「土のリサイクル業者」を利用するのもおすすめです。
家庭菜園が難しいと感じている方は、ほったらかしでも育てやすい野菜を紹介している以下の記事もチェックしてみてください。
虫がつきにくい家庭菜園向け野菜・ハーブ一覧
「虫が多くて野菜づくりが続かない…」という方は、虫がつきにくい種類の植物を選ぶのがおすすめです。香りや成分、育ち方の特性によって害虫が寄りにくい野菜・ハーブがあります。
| 分類 | 虫がつきにくい野菜・ハーブ | 主な理由・特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ネギ・ニラ・ニンニク類 | ネギ、ニラ、ニンニク、シャロット | 匂い成分(アリシン)が害虫を忌避。特にアブラムシ・コナジラミを遠ざける | 水はけが悪いと根腐れしやすい |
| ハーブ類 | バジル、ミント、ローズマリー、タイム、レモングラス、セージ | 精油成分(リモネン・メントールなど)による強い香りが虫を寄せつけない | 蒸れやすい環境では病気に注意 |
| 根菜類 | 大根、ニンジン、ゴボウ、ジャガイモ | 地中で育つため虫の被害が少ない | 連作障害を防ぐため輪作を心がける |
| 豆類 | ソラマメ、枝豆 | 成長初期以外は比較的虫が少ない | アブラムシがつく場合は早期発見を |
| 葉菜類(強めの香り) | 春菊、ミズナ | 香りが強く、アオムシ類を寄せにくい | 夏の高温期は害虫が増えやすい |
| 花を咲かせるハーブ | ラベンダー、カモミール | 開花中も香りが強く、アザミウマ・アブラムシを忌避 | 乾燥に弱いので水やりを忘れずに |

虫がつきにくい野菜から始めると、初心者でも失敗しにくいですよ。ネギやバジルなどをうまく組み合わせると、自然な“ガーデンバリア”をつくれます。
家庭菜園の初心者でもできる!自然派の虫対策5選
家庭菜園の虫対策は、必ずしも農薬や専門的な知識が必要なわけではありません。
少しの工夫と身近なアイテムで、初心者でも十分に「虫の少ない環境」をつくることができます。
ここでは、自然素材や家庭用品を使った初心者向けの虫対策5選を紹介します。どれも今日から試せる簡単な方法ばかりです。
牛乳スプレーや木酢液で自然防除
農薬を使いたくない人に人気なのが、牛乳スプレーや木酢液スプレーを使った自然防除法です。
牛乳と水を1:1の割合で混ぜ、霧吹きに入れて葉の表・裏にスプレーします。乾くと牛乳成分が薄い膜を作り、アブラムシなどの害虫を包み込んで窒息させます。
※乾いた後は白い粉が残るため、食用野菜には早めに水で洗い流すのがおすすめです。
市販の木酢液を水で100〜200倍に薄め、週1回程度スプレーします。木の燻製のような匂いが虫を遠ざけ、アブラムシ・コナジラミ・ヨトウムシに効果的。
土壌の殺菌・消臭効果もあるため、梅雨時期や高温多湿の環境で重宝します。
特に、牛乳は手軽で即効性があります。また、木酢液は持続性に優れています。両方を交互に使うと効果的です。
ニームオイル・唐辛子スプレー
インド原産の植物「ニーム」由来のニームオイルや、キッチンにもある唐辛子スプレーも、無農薬派に人気の虫対策アイテムです。
500mlの水にニームオイルを小さじ1〜2、食器用中性洗剤を1滴加えて混ぜます(乳化剤代わり)。葉の表裏に散布することで、虫の食欲を減退させ、産卵を抑制します。
特にアブラムシ・コナジラミ・ハダニに効果的で、植物にも優しいのが特徴です。
乾燥唐辛子3〜4本を細かく砕き、500mlのお湯に一晩浸けて抽出します。スプレーボトルに入れ、葉や株元に散布します。
カプサイシンの辛味成分が虫の忌避効果を発揮し、コナガやヨトウムシなどの食害系害虫にも効きます。
どちらも日中の高温時や直射日光下での散布は避け、朝夕の涼しい時間帯に行うと葉焼けを防げます。
※1 刺激性のある液体ですので、子供の手が届かない場所に保管しましょう。
※2 目に入った場合はすぐに流水で洗いましょう。
アルミホイル・CDで反射防除
「光の反射」を利用した防除は、手軽で費用のかからない虫よけ方法です。
アブラムシやコナジラミ、ハモグリバエなどの飛来系害虫は、太陽光の反射を嫌うため、光で追い払うことができます。たとえば、次のような方法で反射防除ができます。
- アルミホイルを細長くカットして、株元やプランターの縁に置く
- 使わなくなったCDを吊るして、風で回転させる
- 100均の反射シートを畝の間に敷く
特に、ナス・トマト・キュウリなど、葉の裏に虫が付きやすい野菜にはおすすめです。
アルミやCDは見た目が気になる場合、透明タイプの反射テープを使うと自然な見た目で設置できます。
黄色粘着シートで捕獲する
黄色は害虫を引き寄せる色として知られており、黄色粘着シート(イエロートラップ)を使うと、飛来害虫の早期発見と防除が同時にできます。
- 設置場所
・株の高さに合わせて吊るす
・プランターの支柱に固定 - 距離
1㎡あたり1〜2枚が目安 - 効果
アブラムシ・コナジラミ・キノコバエ・チョウ目幼虫の成虫などを捕獲
粘着シートは、虫の発生状況を「見える化」できるため、早期対策にも役立ちます。
ベランダ栽培の場合は、ネットの内側に設置すると虫を閉じ込めずに防除可能です。
朝夕の見回り・剪定で発生を予防
どんな虫対策よりも効果があるのが、「日々の観察」です。
朝と夕方の2回、葉裏と新芽をチェックする習慣をつけるだけで、被害を最小限に抑えられます。
- 朝はアブラムシやコナジラミの初期発生を確認
- 夕方はヨトウムシやナメクジなど夜行性害虫の活動を確認
- 枯葉や混み合った枝は早めに剪定して通気性を確保
虫は「気づかれないうちに増える」もの。日常の観察を続ければ、防虫ネットやスプレーよりも早く効果を実感できます。
家庭菜園向け防虫ネットの効果と選び方・設置方法
家庭菜園での害虫被害を減らすもっとも効果的な方法が、防虫ネットの使用です。
農薬を使わずに物理的に虫をシャットアウトできるため、家庭菜園初心者からベテランまで幅広く支持されています。ここでは、防虫ネットの効果と選び方を詳しく解説します。
防虫ネットを使うメリット・効果
防虫ネットは害虫を物理的にブロックするため、無農薬や有機栽培を実践したい方に最適です。
農薬を使わずに安心して家庭菜園を楽しめます。
- 農薬を使わずに害虫対策が可能
- アブラムシ・コナジラミ・アザミウマなど小型の飛来害虫を効果的にブロック
- 風通しを確保しつつ光を通すため、植物の生育を妨げにくい
- プランター栽培・畑・ベランダなど場所を選ばず使える
- ネットの色や素材を選べば、夏場の直射日光や鳥害対策にも応用可能
防虫ネットの種類と特徴
防虫ネットには種類があるため、虫の大きさや設置環境に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは家庭菜園でよく使われるタイプを紹介します。
| 種類 | 特徴 | メリット | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|
| ポリエチレン製ネット | 軽量で耐久性が高い | 安価で長持ち、屋外向き | 畑・庭のトンネル型設置 |
| ポリエステル製ネット | 透明度が高く柔らかい | 見た目がすっきり、扱いやすい | ベランダやプランター栽培 |
| 白色ネット | 光を反射して温度上昇を抑える | 蒸れ防止、害虫忌避効果も高い | 夏場の直射日光が強い環境 |
| 黒色ネット | 遮光性が高く葉焼け防止 | 強光を和らげる | 南向きベランダや強日差しの庭 |
| UVカット機能付きネット | 紫外線を大幅にカット | 害虫対策+紫外線対策 | 屋外作業が長い家庭菜園 |
網目サイズと対象害虫の目安
防虫ネットを選ぶ際に最も重要なのが網目サイズです。
虫の種類によって適した大きさが異なるため、以下の表を参考にしてください。
| 害虫の種類 | 適した網目サイズ | 特徴 |
|---|---|---|
| アブラムシ | 0.8mm以下 | 新芽や葉裏に付着。繁殖力が高い |
| アザミウマ | 0.6mm以下 | 非常に小さく、銀色のスジを残す |
| コナジラミ | 0.8mm以下 | 白く飛び回り、すす病の原因に |
| ハダニ | 0.6mm以下 | 葉裏に寄生。高温乾燥で増殖 |

迷ったら「0.6mm前後」の細かいネットを選ぶと幅広い虫に対応可能です。なお、網目が細かいと通気性が落ちるため、夏場は白色や通気性の高い素材を選ぶと良い。
防虫ネットの設置方法
防虫ネットは設置の仕方によって効果が大きく変わります。隙間があるとそこから侵入してしまうため、以下の方法を押さえましょう。
畝に支柱を立て、その上から防虫ネットを覆ってトンネル状にする方法です。広範囲をカバーでき、畑や家庭菜園で最も一般的に使われています。
- 畝の両端と中央にU字型の支柱を約50cm間隔で差し込む
- 支柱に沿って防虫ネットをかぶせる
- ネットの裾を畝の両側の土に5cm以上埋める
- 裾や端を専用ピンや石でしっかり固定
- 出入り口は必要に応じてクリップで留め、作業時だけ開閉
プランターや小さな花壇に、防虫ネットを直接かけて使う方法です。道具が少なくてもすぐにでき、初心者におすすめします。
- 対象のプランターや花壇に作物を植える
- 作物の高さよりやや余裕のあるサイズの防虫ネットを用意
- ネットをそのまま上から掛ける
- ネットの裾をプランターの縁や土に押し込む
- クリップや洗濯バサミでしっかり固定
市販されているプランター専用サイズの防虫ネットを利用する方法です。四角や丸型など裁断済みで扱いやすく、ベランダや狭いスペース向きです。
- プランターのサイズに合った専用ネットを選ぶ
- ネットをプランター全体にすっぽり被せる
- ゴムや紐でプランターの縁にフィットさせる
- 開閉用のファスナー付きタイプなら、水やりや収穫が簡単
- 使用後は洗って乾かすことで繰り返し利用可能
フェイクグリーンが最強です!
コンパニオンプランツで虫を寄せつけない
防虫ネットと並んで効果的なのが「コンパニオンプランツ(共栄作物)」を利用する方法です。
コンパニオンプランツとは、特定の作物の近くに植えることで害虫を寄せつけにくくしたり、病気を防いだりする植物のこと。農薬を使わず自然な力で防虫できるため、安心して家庭菜園を楽しみたい方におすすめです。
代表的なコンパニオンプランツと効果
害虫の発生は作物によって異なるため、野菜別に効果的なコンパニオンプランツを知ることが大切です。
以下の表では、よく育てられる野菜に合わせた組み合わせを紹介します。
| プランツ名 | 防げる害虫 | 一緒に植えると良い作物 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| バジル | アブラムシ、ハダニ | トマト、ナス | 強い香りでアブラムシを遠ざける |
| マリーゴールド | アザミウマ、センチュウ | キュウリ、トマト、ジャガイモ | 根から分泌物を出し土中害虫を減らす |
| ネギ類(ネギ・ニラ・ニンニク) | コナジラミ、アブラムシ | トマト、イチゴ | 匂いで害虫を忌避し、病気にも強い |
| パセリ | アブラムシ、コナジラミ | レタス、キャベツ | 香りが強く害虫除け効果がある |
| カモミール | アブラムシ | キャベツ、ブロッコリー | ハーブの香りで防虫+リラックス効果も |
植え合わせのコツ
コンパニオンプランツを効果的に使うためには、ただ近くに植えるだけではなく、配置や組み合わせを工夫することが大切です。
- 主作物の株間に1〜2株ずつ補助植物を植える
例:トマトの株間にバジルを植えてアブラムシ対策 - 畝やプランターを交互に配置する
例:ネギとレタスを交互に植えてコナジラミを忌避 - 害虫を寄せつけやすい作物には香りの強いハーブを組み合わせる
例:キャベツとパセリでアブラムシを防止 - 受粉を促したい作物には花の咲く植物を添える
例:ナスのそばにカモミールを植え、ミツバチを呼ぶ
まず意識したいのは、主作物の根元や株間に補助的な植物を植える方法です。たとえば、トマトの周囲にバジルを植えると、バジルの強い香りがアブラムシを寄せつけにくくします。また、ネギやニラを畝の両端や列ごとに配置すれば、匂いの効果でコナジラミやアブラムシを遠ざけられます。
さらに、開花期にハーブや花を組み合わせると、受粉を助けるミツバチや蝶を呼び込み、収穫量を増やす効果も期待できます。マリーゴールドはアザミウマやセンチュウを防ぐだけでなく、鮮やかな花が見た目のアクセントにもなり、家庭菜園が華やかになります。
土耕と水耕の虫被害を比較
家庭菜園では、土を使う「土耕」と水や培地で育てる「水耕」のどちらを選ぶかによって、発生する害虫の種類や対策の難易度が変わってきます。
それぞれの特徴を理解すれば、自分に合った栽培方法を選び、効率的に虫対策ができます。
| 土耕栽培 | 水耕栽培 | |
|---|---|---|
| 虫の発生頻度 | 高い | 中程度 |
| 主な害虫 | アブラムシ、コナジラミ、ヨトウムシ、コガネムシ幼虫 | アブラムシ、ハダニ、コナジラミ |
| 発生源 | 土中(卵・幼虫)、雑草 | 空中からの飛来、換気口・窓から侵入 |
| 防除のしやすさ | 雑草抜きやネット設置など手間が多い | 容器や培地の清掃で比較的容易 |
| 向いている人 | 土の感触を楽しみたい、作物の種類を増やしたい | 清潔・手間を減らしたい、ベランダや室内で育てたい |
土耕は自然環境に近い分、多くの害虫が発生しやすいですが、土ならではの栄養分で野菜本来の風味を楽しめるメリットがあります。
一方、水耕は虫の種類が少なく管理も簡単ですが、電源や液体肥料の補給など設備やランニングコストがかかるのがデメリットです。

害虫対策を重視するなら、水耕栽培が有利です。一方で、野菜の種類や収量にこだわるなら、土耕栽培に挑戦するのがおすすめです。2つの違いをもっと知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
家庭菜園(土耕栽培)の害虫対策のよくある質問【FAQ】
- Q防虫ネットをしているのに害虫が入ってしまうのはなぜ?
- A
害虫の多くは、ネットの裾や支柱の隙間から侵入しています。裾を土に5cm以上埋め、クリップで固定することが重要です。収穫や水やりの後は必ず閉じ直しましょう。
- Q農薬を使わずにアブラムシを防ぐ方法はありますか?
- A
バジルやネギ類を一緒に植えるコンパニオンプランツが効果的です。加えて牛乳スプレーや木酢液を週1回散布することで、農薬を使わずに防除できます。
- Qプランター栽培でも防虫ネットは必要ですか?
- A
プランターでもアブラムシやコナジラミは飛来します。小型ネットを被せ、黄色粘着シートを併用すると高い防虫効果が得られます。特にベランダ栽培では必須です。
- Q夏の暑さで防虫ネットの中が蒸れませんか?
- A
白色や通気性の良いネットを使えば温度上昇を抑えられます。朝夕に換気をし、株元にワラやマルチを敷くと蒸れ防止と乾燥対策の両方に効果的です。
- Q虫がついた葉はどうすればよいですか?
- A
被害が軽い場合は葉裏を水で洗い流します。被害が広がっている葉は切り取り、ゴミ袋に密閉して廃棄してください。放置すると他の株へ被害が拡大します。
まとめ|防虫ネット+自然対策で家庭菜園を楽しもう
家庭菜園では、アブラムシ・アザミウマ・コナジラミといった害虫が発生しやすく、放置すると収穫量や品質に大きな影響を与えます。
しかし、防虫ネットを正しく設置すれば多くの害虫を物理的にブロックできます。さらに、バジルやマリーゴールドなどのコンパニオンプランツを組み合わせ、木酢液やニームオイルなど自然派の虫よけを活用すれば、農薬に頼らず安全な家庭菜園が実現できます。
小さな工夫を積み重ねれば、効果的に害虫を防ぎながら、家庭菜園をより快適で安心なものにできます。ぜひ今年は、「虫に負けない家庭菜園」を実現してください。
この記事を書いた人
【上野 海|PLANTISTA担当者】
水耕栽培・土耕栽培歴1年。オリジナルのDIYプランターなどを活用しつつ、ガーデニングの楽しさや魅力を発信しています。(SNSも運用中:X(Twitter))
この記事の参考文献
- 農林水産省:「このような所で、周囲を気にせず農薬を散布していませんか?」
- 環境省:「住宅地等における農薬使用について」
- 日本植物防疫協会:「野菜のアブラムシ類の発生生態と防除」
- NHK出版「趣味の園芸」




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